診断基準とその使い方
急性膵炎
内藤 聖二
1
1順大災害医学研究所
pp.428-429
発行日 1977年3月10日
Published Date 1977/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402207129
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急性腹症として来院した患者は数時間以内に診断を決定して適切な治療を行わなければならない.急性膵炎は急性腹症のひとつとして日常の臨床の中に重要な位置を占める疾患である.したがって,急性腹症では立位腹部X線写真,心電図,血清,尿アミラーゼ,白血球数,血糖,尿沈渣などを緊急検査としてひとつのルーチン検査項目として決めて置くことが望ましい.急性膵炎の診断は慢性膵炎に比して比較的容易であり,一般臨床施設において早急な確定診断をすることが可能な疾患である.また,重症の急性膵炎には死亡することがある汎膵臓壊死症があるので,ショックを起こしたり,狂操痛を伴うような場合には早急に診断を確定して,入院施設に転送する必要がある.
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