臨時増刊特集 日常役立つ診療技術
治療篇
3.心拍停止に対する処置
三浦 勇
1,2
1佼成病院心臓外科
2東女医大心研
pp.1985-1988
発行日 1976年12月5日
Published Date 1976/12/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402206939
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循環が停止すれば臨床上患者は死亡したとみなされるが,もはや再出発が不可能な状態-生物学的な死亡は,これより3〜20分後に訪れる.
常温においては循環の杜絶から3分前後でまず脳皮質の細胞が,次いで約10分後には脳幹が不可逆性変化を蒙る。いわゆる脳死の状態で,精神と中枢神経の活動は永久に失われる.心筋は約20分間の無酸素状態に耐えられるが,それ以後は収縮機能を回復しえない.つまり心臓死で,絶対的な死を意味する.
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