特集 神経学における最近の研究
<生理>
脳波の周波数分析—高次活動現象の解析
佐藤 謙助
1
1長崎大学医学部生理学第2教室神経情報研究室
pp.685-687
発行日 1978年7月10日
Published Date 1978/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431904893
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
人や動物の種々の活動現象は過去から現在,さらに未来へと刻々に関連しつつ死ぬまで続く。その一つを適当な時間Δtごとに測り,平均値(通常「恒常性」を示す値)からの偏差値を時点t-kΔtでyt-k,k=0,1,2,…,とすると,通常ytは過去のいくつか,たとえばM個以前までの値yt-m,m=1,2,…,M,に関連度amで関連し,それより遠い過去の値には関連しない(関連度≒0)。すると,ytはyt-mにamを掛けたΣMm=1amyt-mとそれ以外のものから成り,後者をntとすると
(式省略)
である(「M次自己回帰過程」)1,4,5,10)。ここで,ntは無数の未知因子(yt以外の多くの活動現象,内外環境の多種多様の状態など)の総和で,個々としてはytやyt-mと関連しても,一とまとめにすると消しあい,雑然とした関連のない偶然量(純偶発過程)と化すとしてよい。
Copyright © 1978, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.