臨時増刊特集 日常役立つ診療技術
診断篇
II.消化器系疾患の診断技術
3.腸吸収機能検査法
朝倉 均
1
1慶大内科
pp.656-661
発行日 1970年5月20日
Published Date 1970/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402203104
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
食餌内容や量に問題なく,体重減少や下痢(ないものもある)を呈して消化吸収障害が想定される時,経口的に各種物質の負荷試験を行なって消化吸収状態を知る検査である.
しかし,糞便中の蛋白質・脂質・糖質などがすべて不消化非吸収性残存食物というわけでなく内因性のものもあり,またその化学的定量法の操作が煩雑であるために,いろいろの簡便法が考案されている.また経口負荷試験から得られる血中耐容曲線は,試験物質が小腸から吸収されて血流中に流入する速度を示すものであるが,他の因子(胃外排泄時間,腸運動,血中よりの除去速度,尿中排泄,腸内再排出)の関与を念頭において成績判定をしなければならない.
Copyright © 1970, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.