今月の主題 知っておきたいリハビリテーションの技術
諸種神経疾患のリハビリテーション
脊髄疾患
野島 元雄
1
1愛媛大整形外科
pp.1080-1081
発行日 1976年8月10日
Published Date 1976/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402206689
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リハビリテーションよりみた脊髄疾患
脊髄疾患は,その原因により多様にわたることは論をまたない.しかし,リハビリテーションの観点よりみれば,脊髄疾患は障害レベル以下の広義の対麻痺,あるいは四肢麻痺(これにはいわゆる球麻痺も含まれる)を主徴とする疾患であるといえる.内科的な脊髄疾患の多くは,脊髄炎にみられるように運動も知覚も同じレベルで中枢との連絡が断たれていることはまれであるが,麻痺の程度(完全麻痺であるか不全麻痺であるのか)とその分布(横断性であるのか部分的であるのか)により,リハビリテーションのゴールは大きく支配される.
Hirschbergは,脊髄疾患を上位運動ニューロンの障害,下位運動ニューロンの障害に大別し,これに球麻痺および呼吸麻痺を加え,病態を総合的に把握するとともに,これらの障害に適切なプログラムが展開されるべきであると強調している.
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