今月の主題 内科疾患としての先天性代謝異常
病気としての先天性代謝異常
山村 雄一
1
1阪大第3内科
pp.906-907
発行日 1976年7月10日
Published Date 1976/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402206631
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先天性の疾病であるからとつって,必ずしも遺伝的なものではなつ.しかし,近年における先天性代謝異常に対する興味と関心は,遺伝的なものに向けられている.それは分子生物学の誕生と進展にもとづいて,遺伝情報の担い手であるDNAから,メッセンジャーRNAを介して,リボゾームの表面における蛋白生合成の機構にいたるまでの美事な機構が,分子レベルで解明されたことがひとつの理由であろう.
その他の理由としてあげられるのは,分子病という疾患概念の確立や,先天性で遺伝的と考えられる疾病が,思いもかけず一般の代謝病と関連していたことなどをあげることができよう.
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