今月の主題 肺のびまん性陰影をめぐって
感染によるもの
肺感染症
荻間 勇
1
1新潟市民病院
pp.786-787
発行日 1976年6月10日
Published Date 1976/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402206597
- 有料閲覧
- 文献概要
肺のびまん性陰影を示す場合の原因は極めて多彩であるが,これを大別すると,感染性,悪性腫瘍,循環異常,代謝性,異物吸入によるもの,系統疾患の一分症としてのもの,原因不明のものなどに分けられる.近年,原因不明のびまん性間質肺炎,膠原病に伴う肺臓炎,大気汚染,公害などに関連して異物吸入による肺線維症などが大いに注目されつつあるが,感染症に由来するびまん性陰影については,比較的稀のものとして一般的にはあまり顧慮されていないように思われる.しかし,びまん性陰影を示し得る感染性疾患は数多くあげられており(表)1),細菌性,ウイルス性,リケッチア性,マイコプラスマ性,寄生虫性,真菌性,スピロヘータ性と,ほとんどすべての病原微生物が問題になるといっても過言ではない.
これらのすべてについて網羅することは,誌面の都合もあり,不可能であるので,これらの中から,筆者らの経験,見聞の中から重要と思われるものをとりあげ,その特徴,鑑別診断上のポイント,治療の要点などについて述べてみたい.
Copyright © 1976, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.