内科専門医を志す人に・私のプロトコール
内分泌・代謝
革島 恒徳
1
,
梅村 康順
2
1神戸市立中央市民病院内科
2住友病院内科
pp.560-561
発行日 1976年4月10日
Published Date 1976/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402206534
- 有料閲覧
- 文献概要
今月は,内分泌・代謝疾患5例の中から,特発性副甲状膿機能低下症の1例を供覧する.昭和46年に経験した症例であり,Ca代謝に注目して検査を進めた.副甲状腺機能検査は,測定の比較的容易な,血清Ca・P・クレァチニン,尿中Ca・Pを用いて,Ca代謝を動的に把握する方法を用いて行った.これらの検査にも限界があり,十分に考慮して判定しなければならなかった.本例にCa負荷試験,EDTA試験,Ellsworth-Howard testを行い,特発性副甲状腺機能低下症が疑われ,低Ca血症を呈する,偽性副甲状腺機能低下症,腸からのCa吸収不足の腸吸収不良症候群,腎からのCa排泄の増加をきたす細尿管性アシドーシス,Caイオンの消費をもたらす急性膵炎などの臨床症状および検査成績で除外診断を行った.最近,より正確な鑑別には,PTH負荷後の尿中サイクリックAMPの測定が行われている.
Ca代謝をつかさどるホルモンとして,PTH,カルチトニン,活性型ビタミンDがあり,PTHの測定も可能となり,近年,新しい知見が増え,また,各種ホルモンのradioimrnunoassayの測定可能により,正しい理解を持っていることが要求される.
Copyright © 1976, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.