特集 胃集団検診
巻頭言
胃集団検診の現況と将来
春日井 達造
1
1愛知がんセンター内科
pp.685
発行日 1971年5月10日
Published Date 1971/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403111642
- 有料閲覧
- 文献概要
わが国で胃の集団検診が実施されるようになってから,すでに数10年が経過したと思う.その間,実施方法に幾多の変遷があり,その対象範囲も年々拡大され,現在にみるがごとく,まがりなりにも全国的な規模において行なわれるようになった.しかし,胃集団検診の辿った道を振り返り,現況を再検討してみると今なお幾多の問題点が残されていることも事実である.これらの問題点にいかに対処し,いかに解決するかが筆者らの課題であり,そこに筆者らの任務と責任があると思う.
明治以来国民病として猛威をほしいままにした結核が昭和38年代に急速に終熔に向ったのも,ストレプトマイシン,パスなどの特効薬の開発もさることながら早期発見,早期治療のスローガンのもとに医療に携わる者と行政をあずかる者が大同団結して国をあげて実施した結核の検診が,その原動力となったことは何人も等しく認めるところである.
Copyright © 1971, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.