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特集 プラスマフェレーシス
Editorial
プラスマフェレーシスの現況と将来
Present status and future prospect of plasmapheresis
太田 和夫
1
Kazuo OTA
1
1東京女子医科大学腎臓病総合医療センター
pp.1700-1701
発行日 1983年12月20日
Published Date 1983/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407208499
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1.プラスマフェレーシスとその歴史
プラスマフェレーシスという言葉をしばしば耳にするようになつた.これは血漿を意味するplas—maと,ギリシャ語で除去(withdrawal)を意味するαψαιπειν(apheresis)を組合わせたものであつて,1914年,人工腎臓の開祖として名高いJohns Hopkins大学のAbelが作つた言葉である.
この言葉の語源からも明らかなように,プラスマフェレーシスは血液より血漿成分だけを除去する技術を意味しており,彼はこれを尿毒症犬に用いてその症状の改善をみているのであるが,その後,1944年頃よりTuiらはこれを輸注に用いる血漿を採取する目的で使用するようになり,さらに1956年頃になると,Tullisらが連続して血漿を採取できる遠心分離器を作り,輸血部を中心としてプラスマフェレーシスが広く行われるようになつてきた.
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