今月の主題 腎不全の病態と治療
臓器面からみた臨床像
免疫機能
伊東 義一
1,2
,
平安山 英機
2
1新潟大保健管理センター, 第2内科
2新潟大第2内科
pp.492-493
発行日 1976年4月10日
Published Date 1976/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402206512
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慢性腎不全の原因疾患は多いが,これらのうち慢性腎炎,lupus腎炎,amyloid腎症などでその発症および進展に免疫機序が関与することはよく知られている.
慢性腎不全の治療として広く行われるようになった腎移植では,その成功のカギは移植腎の拒否反応をいかに防止するかにかかっている.さらに他のひとつの治療法として広く行われている血液透析により,尿毒症の死亡率は著しい減少を示している.しかし近年,抗生剤の進歩と正しい使用法の確立によって激減した感染症による死亡が,腎不全においては未だ多く,腎不全死亡例の約20%,死因としては第2位をしめている.このようなことから,第11回人工透析研究会において,透析療法における感染症が主題として取り上げられている.ここにおいては,結核の再燃や弱毒菌による敗血症などが報告され,その討論を通じて透析患者における免疫機能の低下という問題が,改めて大きな注目をあつめた.
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