シリーズ最新医学講座―免疫機能検査・9
喫煙と免疫機能
山下 直宏
1
,
松井 祥子
2
,
小林 正
2
Naohiro YAMASHITA
1
,
Shouko MATSUI
2
,
Masashi KOBAYASHI
2
1富山医科薬科大学保健管理センター
2富山医科薬科大学医学部第一内科
キーワード:
喫煙
,
肺胞マクロファージ
,
サイトカイン
Keyword:
喫煙
,
肺胞マクロファージ
,
サイトカイン
pp.1019-1025
発行日 2001年9月15日
Published Date 2001/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542904872
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はじめに
喫煙と健康の問題は以前から重要であると考えられており,肺癌,慢性閉塞性肺疾患などの呼吸器疾患,狭心症・心筋梗塞などの循環器疾患への関与のほかにも,動脈硬化,妊婦・胎児への影響など様々な形で取り上げられている1,2).また,近年の疫学調査から,喫煙が健康に及ぼす様々な害がはっきりしており,健康への直接的および間接的な影響を考えると,喫煙は多くの致死的な疾患のうち,予防可能な最大の要因であると言える.
一方,喫煙者には農夫肺に関連した血清中の抗体が少ないことや3),サルコイドーシスが少ないことが報告されており4),これらはいずれもリンパ球の活性化を伴う疾患であり,喫煙の免疫機能に及ぼす影響が考えられる.
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