今月の主題 肺癌—その理解と対処のために
治療
外科治療
成毛 韶夫
1
1国立がんセンター・外科
pp.1822-1824
発行日 1975年11月10日
Published Date 1975/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402206301
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
肺癌治療の原則は,患者の来院とともに,病期・組織型および機能を正確に把握し,かつ症例のもつ1つ1つつの特徴を十分念頭においた上で,外科療法・放刻線療法・化学療法の長所を巧みに組み合わせた合理的な治療計画を設定し,執拗かつ勢力的に治療することにある.
今も切除療法が肺癌治療の主役であることと,早期発見・早期治療(手術)の重要性は変わらないが,放射線医学の急速な進歩,癌化学療法の進歩と投与法の改良の結果,従来の外科療法万能時代は過ぎ,外科・放射線科・内科の3者が初めから会同して治療適応を考え,3者を取捨する併用療法が行われ,成果が上がりつつある1).10数年前までは病院を訪れる肺癌患者で本当に治る例は5〜6%で,切除例の成績も16%2)であったが,現在では入院症例の12%が5年生存例で,切除例では26.6%.治癒手術例のそれは56.0%までになった.
Copyright © 1975, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.