今月の主題 肺癌—その理解と対処のために
特殊診断
Flexible bronchofiberscope
池田 茂人
1,2
1国立がんセンター・気管食道科
2国立がんセンター・胸部診断科
pp.1802-1804
発行日 1975年11月10日
Published Date 1975/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402206296
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多くの肺癌は気管支に原発すると考えられる.そこで,これらの肺癌を経気管支的に診断することは,最も道理にかなっているといってよい.肺癌はその発生部位によって肺門部肺癌と,肺野末梢性肺癌に区分される.太い気管支に原発すろ肺門部肺癌は,多くの場合,組織学約に扁平上皮癌,小細胞癌であり,一部気管支腺原発の腺癌が含まれるが,これらは,早期であっても気管支鏡で直接にその所見を視ることができる.しかし,極めて末梢気管支に発生した肺野末梢性肺癌の場合は,組織学的に腺瘍,または大細胞癌のことが多いが,気管支ファイバースコープを用いても視診することは困難なことが多い.しがし,気管支ファイバースコープを用いて,X線テレビ透視下にキューレット,ブラシを気管支内に挿人し,気管支内の病変,または肺内丙変に刺人して細胞を採取して確定診断を行うことが可能である(図1).すなわち,ほとんどの肺癌は,気管支鏡で診断することができる.
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