超音波診断の読み方
膵疾患,腹部腫瘤
北村 次男
1
1大阪府立成人病センター・肝膵科
pp.1241-1244
発行日 1975年7月10日
Published Date 1975/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402206142
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
最近まで,非観血的で直接的な検査法のなかった膵の形態面での検索にも,ようやくSe75-セレノメチオニンを用いてのシンチカメラに続いて,この領域では画期的な進歩をきたした十二指腸内視鏡下膵管造影法の開発により光明が見出されている.一方,超音波検査でも断層法が行われるようになり,膵の断層像が描出できるようになった.この超音波断層法は造影剤の注入などの補助的手段を用いることなしに,軟部組織の形態検査が可能であり,膵以外の腹腔内臓器や腹部腫瘤の検査に非常に有用である(ただし消化管の検査には適していない).
触診で,またはその他の検査で腹部腫瘤を認めた時,すぐに適用すべき検査は,この超音波断層法であり,本検査により診断に必要な多くの情報が簡単に得られる.ここでは膵疾患,および種々の腹部腫瘤の症例の超音波断層とその読み方を紹介する.
Copyright © 1975, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.