今月の主題 出血傾向の新知識
知っておきたい出血性素因
消費性凝固障害
松田 道生
1
1自治医大血液研,止血・血栓研究部門
pp.933-935
発行日 1975年5月10日
Published Date 1975/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402206040
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血栓形成傾向と出血性素囚とは,一農には全く相反する方向の反応ないし現象と理解されている.しかし,血栓の形成,とくに多発性の血栓形成と出血傾向とが成因上密接に関係して,前者が因,後者が果として現れる結果,臨床上は出血傾向を主症状としながら抗凝血薬が奏効する場合がある.これが本稿のテーマ"消費性凝固障害(consumption coagulopathy)"と呼ばれる症候群で,その成因ないし病態生理が明らかにされるにつれ,多くの臨床家の関心を集めるに到っている。
その成因は基礎疾患に関係して何らかの機序で凝血系が活性化され,血管内に多くは多発性の血栓を作る結果,血小板やフィブリノーゲンなど,血栓形成の基材としての血液成分が消費され,二次的に出血傾向が招来されると解されている1〜3).
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