今月の主題 糖尿病への新たなる対処
知っておきたい合併症
非ケトン性高血糖性高滲透圧性昏睡
中川 昌一
1
,
青木 伸
1
1北大第2内科
pp.764-765
発行日 1975年4月10日
Published Date 1975/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402205987
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本症は通常の糖尿病性昏睡が高度のケトアシドーシスを主徴とするのに反し,高血糖,高浸透圧,脱水が高度であるのを特徴とし,1886年Dreschfeldにより一般の糖尿病性昏睡より分離されたが,1957年Sament & Schwarzによって報告1)されるまで,一般には注目されなかった.その後1965年,Schwarzらにより63例の集録がなされ,本邦では1965年橘の最初の報告2)以来,現在までに54例の報告3)がある.本症はケトアシドーシス性昏睡に比べると,その頻度は約1/6であるが,致命率は高く,約40%であり4),ケトアシドーシス以上に適確な診断と迅速な治療が望まれる.以下,本症の診断,病態並びに治療について簡単に述べる.
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