特集 これだけは知っておきたい検査のポイント
VIII.血液化学検査
BSP
浪久 利彦
1
,
山城 雄二
1
1順大内科
pp.632-633
発行日 1975年3月20日
Published Date 1975/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402205943
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異常値を示す疾患
BSP静注後30分,あるいは45分の血中停滞率を求める方法は,肝実質障害,あるいは肝胆道系の障害を表す優れた肝機能検査法の一つである.その理由は,本法が肝胆道系の障害に対して特異性が高く,鋭敏で,かつ定量的表現が容易であることなどがある.すなわち,慢性肝炎,脂肪肝,アミロイド肝などで,他のいずれの検査でも,検出できないものが,BSP検査のみ異常を呈することがあり,スクリーニングテストとして優れた価値を有するが,発熱や感染症,貧血,ショック,手術後,リウマチ様関節炎,糖尿病などに一過性異常値を示すので,鋭敏すぎるきらいがある.
BSP試験の正常値は,30分停滞率で0〜5%,45分停滞率で0〜3%であるから,境界値は10%以下の場合と考えられ,10%以上の停滞率を示した場合には,明らかに異常値と考えるべきであろう.
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