アルコールによる臓器障害・10
アルコールと感染症および免疫異常
石井 裕正
1
,
吉武 泰俊
1
,
松崎 松平
1
1慶大内科
pp.1467-1470
発行日 1974年11月10日
Published Date 1974/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402205668
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はじめに
アルコール中毒者の中には感染症,とくに肺炎に罹患する頻度が高く,また罹患すると死亡率が高いことが,古くWelchやOslerらによって観察されており,その後も報告が多数みられる.この感染に対する抵抗力の低下をきたす要因は何か,明らかにはされていないが,アルコール中毒者の栄養障害,ビタミンの欠乏,白血球の遊走性の抑制,血清中の低補体値,免疫機構の異常などが考えられている.
本稿では,アルコールの大量摂取が生体の感染および免疫機構にいかに影響をおよぼすかについて考察を加えたい.
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