症例
胃癌を併発し長期生存を続ける原発性後天性無γグロブリン血症の1例
森本 幾夫
1
,
坂本 賢右
1
,
安倍 達
1
,
本間 光夫
1
,
細田 泰弘
2
,
土肥 泉
3
1慶大・内科
2慶大・病理
3立川共済病院
pp.1462-1466
発行日 1974年11月10日
Published Date 1974/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402205667
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免疫学の進歩とともに,原発性免疫不全症の分類も幾度か変遷を受けている.1971年WHOは,幹細胞,T細胞,B細胞の欠損状態を主なる基準とし,臨床的,遺伝的背景なども考慮して,新しく原発性免疫不全症の分類を提唱している1).しかし,それらの基準でも分類不能の一群をvariable immunodeficiencyとして一括しているが,その大部分は原発性後天性無γグロブリン血症である.それらは感染症に罹患しやすいこと,悪性腫瘍が発生しやすいことで注目されている.最近,重症感染症に罹患することなく,胃癌を合併し,8年後の現在もなお生存中の原発性後天性無γグロブリン血症の症例を経験したので報告する.
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