今月の主題 アルコール性障害のトピックス
治療の問題点
アルコール症の治療
河野 裕明
1
,
堀井 茂男
1
,
吉武 泰俊
2
1国立療養所久里浜病院精神科
2国立療養所久里浜病院内科
pp.1393-1395
発行日 1976年10月10日
Published Date 1976/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402206785
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アルコール症の概念
従来アルコール症は,精神科では,その患者の「病的性格」として,内科では臓器毒性による「身体疾患」として扱われてきた.これはそれぞれアルコール症の一面の真理をついてはいるが,"人間におけるアルコール症の治療"の立場からは全く片手落ちであり,そのような一面的視野からの治療は時に逆効果さえもたらしてきた.したがって,ごく簡単に必要なアルコール症の概念を述べる.
WHOの定義によると,アルコール症とは薬物依存の中のいわゆるBarbitur-Alcohol型の疾患ということになり,下図(図1)のようなシェーマで考えられている.
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