今月の主題 神経内科の動き
注目されている神経病
癌性ニューロパチー
本多 度夫
1
1横浜市民病院・内科
pp.1410-1411
発行日 1974年11月10日
Published Date 1974/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402205653
- 有料閲覧
- 文献概要
癌性ニューロマイオパチーという言葉は一般に,悪性腫瘍に随伴して起こり,転移腫瘍によらない神経筋疾患を意味するものである.このような神経筋疾患が悪性腫瘍と相前後して起こることは,19世紀末から20世紀初頭にかけて一部の研究者により注目され始めていたが,それが系統的な,大々的な注目を浴びるようになったのは,1965年,ニューヨークで本疾患群に関するシンポジウム(Conference on the Neurological Aspect of theRemote Effects of Cancer)が開かれた前後からである.それから現在まで10年近くの歳月が流れているが,未だこれら疾患群が何故悪性腫瘍に随伴して起こるか,悪性腫瘍とどのような関係にあるかは十分に明らかにはなっていない.
本疾患群の分類については必ずしも一定のものはないが,われわれはその臨床的特徴から表のような分類を試みてきている.本稿ではこれら諸疾患のうち比較的頻度が高く,その実態の究明も進み,それぞれ1つの疾患としてかなりよく確立された次の4つの疾患について述べてみることにする.
Copyright © 1974, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.