連載 症候学メモ・62
癌性ニューロパチーと三叉神経
平山 惠造
1
1千葉大学神経内科
pp.1066
発行日 1990年11月1日
Published Date 1990/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406900124
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◆過日,ある懇話会で産業医大神経内科の大西助教授が癌性ニューロパチーの本邦における現況をまとめられた。その中で一つ箪者が関心をもったデーターがある。それは癌性ニューロパチーに伴う感覚障害が外国の報告では三叉神経領域に非常に多いのに,本邦の報告では非常に少ない,ということである。
◆癌性ニューロパチーについての有名なDenny-Brownの原著の中の症例にも,この三叉神経領域の感覚障害は指摘されており,笨者の師事したGarcin教授も,この症候学を強調しておられた。筆者のはじめての自験例でもこれが認められたので,それ以来,この症候の重要性を機会のあるごとに教室などで説明して来たものである。
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