今月の主題 神経内科の動き
注目されている神経病
び漫性髄膜癌腫症
古和 久幸
1
1北里大内科
pp.1408-1409
発行日 1974年11月10日
Published Date 1974/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402205652
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脳軟膜に癌細胞がびまん性に浸潤することは19世紀中頃より知られていたが,本症を癌の頭蓋内転移の特殊型と理解されるようになったのは今世紀に入ってからのことである.
転移した癌細胞が腫癌を形成することなく脳軟膜に広がり,また臨床症状が髄膜炎に似ているところから"癌性髄膜炎"(Meningitis carcinomatosa)と最近までいわれてきたが,病理解剖上髄膜に炎症所見を伴わないので,現在では"びまん性(転移性)髄膜癌腫症"(Diffuse metastatic leptomeningeal carcinomatosis;以下DMLCと略す)と呼ばれている.
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