今月の主題 腎疾患のトピックス
腎疾患の新しい病像
溶血性尿毒症症候群
北川 照男
1
1日大・小児科
pp.1144-1147
発行日 1974年9月10日
Published Date 1974/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402205566
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はじめに
1955年,Gasserら1)は,胃腸炎のあとに溶血性貧血,栓球減少をきたし,腎不全で死亡した5例の患児を溶血性尿毒症症候群として報告した.その後,同様な症例が内外で多数報告されるようになった2,3)が,わが国では1967年山本ら4)が本症を最初に報告した.しかし,植田ら5)はGasserらが報告する以前の1954年に,両側性腎皮質壊死を直接死因とする特発性後天性溶血性貧血として本症と思われる一症例を詳細に報告しており,注目すべきことと思われる.
ここに,その2例の臨床所見を簡単に述べて,問題と点る点を指摘したい6).
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