今月の主題 内科医に必要なバイオプシー
特殊な生検
胸腺
土屋 雅春
1
1慶大・内科
pp.1041-1043
発行日 1974年8月10日
Published Date 1974/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402205535
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ここ数年間の進歩のうち,胸腺に対する概念ほど変貌の激しいものはない.今やBurnetのいうT-D System(thymus-dependent system)の異常を有する疾患群との関連において考える時代になっている.しかし,Thymology1)(胸腺学)は基礎医学を中心に華やかな発展をとげつつあるとはいえ,臨床においてどのように理解していけばよいのか迷う医家も少なくあるまい.
縦隔鏡検査の開拓(Carlens,1959)は縦隔の直接的検索を可能にし,これはさらに胸骨後部の胸腺腫瘍の生検を可能にしたのみならず,その性状によっては,同一切開創から非腫瘍性病的胸腺の摘出可能なことを経験する契機となった.てこに頸部よりする胸腺生検法を述べ,胸腺組織の見方について記しておきたい.
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