Japanese
English
外科的立場からみた内分泌疾患の治療
胸腺
Thymus
曲直部 寿夫
1
,
正岡 昭
1
Hisao MANABE
1
1大阪大学医学部外科教室
pp.767-773
発行日 1969年6月20日
Published Date 1969/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407204864
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
はじめに
胸腺は古くから内分泌臓器として理解されて来た.即ち輸出管,腔を持たないこと,小児期に最大であって成人になると退縮すること等の理由から,確証のないままに成長に関する内分泌を行なう臓器と考えられて来た.しかし胸腺の研究が進むにつれ,リンパ系における胸腺の役割が認識され,その中枢的存在とたて位置づけられるに至った.更に最近では胸腺抽出液中にリンパ球の増殖を促進する因子,リンパ球に免疫能力を賦与する因子等のhumoral factorが見出され,再び内分泌臓器としての理解が始まろうとしている.
この様に現在胸腺は内分泌臓器として,リンパ系の中枢的存在としての位置づけがなされているが,その機能亢進状態或いは機能低下状態としてどの様な疾患が指摘されているかを述べなくてはならないだろう.
Copyright © 1969, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.