特集 内科医に求められる他科の知識―専門家が伝えるDo/Don’t
第1章 外 科
A.呼吸器外科
胸腺腫・胸腺がん
横井 香平
1
1中日新聞社健康保険組合中日病院
pp.1701-1704
発行日 2019年9月1日
Published Date 2019/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika124_1701
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胸腺腫・胸腺がんとは
胸腺腫・胸腺がんは,主に前縦隔に発生する胸腺上皮細胞由来の腫瘍(胸腺上皮性腫瘍)である.胸腺腫の腫瘍細胞は形態学的に異型に乏しく,腫瘍内に種々の割合で非腫瘍性のリンパ球を伴っている.一般に腫瘍の増殖は緩慢で局所進展傾向が強く,リンパ行性,血行性転移はまれであり,低~中等度の悪性度を示す.一方,胸腺がんは明確な細胞異型や組織学的特徴を有し,リンパ球誘導能は乏しく,一定の浸潤・転移能を有している腫瘍である.
© Nankodo Co., Ltd., 2019