グラフ X線造影のみかた
消化管・3
十二指腸
白壁 彦夫
1
,
黒沢 彬
1
,
高木 直行
1
1順大消化器内科
pp.784-791
発行日 1974年6月10日
Published Date 1974/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402205461
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十二指腸球部
十二指腸球部も,そのほかの十二指腸部も,胃検査の一部として胃検査に引き続いて行なうもので,欠かせない.とくに,慢性膵炎をひろい上げ,膵癌を今までよりも早く発見することが大切になっているいま,なおさらのことである.
写真さえ写しておけばそれでよいのだ,あとで写真をみれば病変が写真にでているだろう,とたかをくくっていては検査にならない.透視のときに所見を確かめ,病状を自分で十分に納得したあとに,証拠として写真をとるのだという心構えでないと確診はつかない.写真の撮り方でどうにでもなるものであるから,漠然とした気持で撮した写真では,質的診断がつかずに推定診断に終わってしまう.所見がよくみえるように体位を変換し,圧迫も加え,病状と所見を納得してから透視を終えるようにする.もちろんコリオパン注射で低緊張にして検査をしやすくする工夫を,どしどし取り入れることである.
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