グラフ X線造影のみかた
消化管・4
小腸の潰瘍性病変
白壁 彦夫
1
,
高木 直行
1
,
河合 信太郎
1
1順大・消化器内科
pp.1048-1056
発行日 1974年8月10日
Published Date 1974/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402205537
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小腸のX線像のうち,腸管や臓器の位置異常,機能異常,それに,盲管症候群,腸重積,腸捻転のような形態の異常などの諸像は,ポピュラーである.吸収不良症候群,腸壁内出血,腸管の浮腫などについては,造影診断の上からX線的な足がかりを得ようとする努力も,てれも造影診断の話題の1つである.
次に述べるX線所見,すなわち,腸管の拡張,分節像,散布像,肥厚像,過分泌像などの所見を,病態に結びつける考え方も古くからある.てれらを,器質的所見と直結させる考え方が固定してきている.ところが,それらの所見の分析を腸間膜との相関において,逐一考察しなくてはなるまい.所見と病変との可逆性の証明は不可欠である.しかし,現実の問題として厳密な区別はできない面もある.ててに残されたままの問題がある.
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