小児緊急室
泣き止まぬ時
中村 孝
1
1東大小児科
pp.400-401
発行日 1974年3月10日
Published Date 1974/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402205363
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「急に泣き出して,全然泣き止まないんです.針でも刺さっているかと思って探してみたんですが,それもないし.」私たち小児科医は,当直の夜,こうした訴えで起こされることは決して稀ではない.月に1〜2回はあるだろう.ほとんどが乳児であるので,ここでは乳児についてのみ考えてみることにする.
泣き止まないということは,乳児に何か大きな苦痛が与えられていると考えてよいであろう.大きな苦痛を痛みとおきかえてもよい.どこか痛い場所があるに違いない.それではどこが?それを探ることが第一の仕事になる.「ピンが刺さっていること?そんなことは数百年に一度です.」とスポック博士の育児書はのべている.実際その通りであろう.
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