今月の主題 新しい臓器相関のとらえ方
臓器相関からみた症候群
肝脾症候群
勝沼 英宇
1
1東医大内科老人科
pp.54-55
発行日 1974年1月10日
Published Date 1974/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402205267
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緒言
肝臓,脾臓はヒト体内臓器のうち,構造,機能が極めて類似し,相互に密接な関係を有する実質臓器として古くから知られているが,肝脾関係を意味すると思われる「肝脾症候群」という用語はほとんど使用されておらず,わずかにDurhamおよびLieber/Olbrichらの症候学辞典にspleen-liver syndromes,Spleno-hepatomegaler Symptornenkornplexとして,Banti's diseaseにおける種々の程度の肝障害と門脈圧亢進を伴う慢性のfibroadenie脾腫と貧血および他血球成分の減少を症状とする症候群(Banti症候群と同義語)を表わすと記載されているのみである.果たしてこれだけで十分なのか,肝脾の臓器相関性の立場から,本症候群を呈する疾患とその病態を検討してみたいと思う.肝脾の相関を考える順序としては以下のようなことがあげられよう.
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