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海外文献紹介「肝脾臓の真菌感染症―CTおよび病理検査によるLiposomal Amphotericin B治療の効果判定」
種広 健治
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1愛知県がんセンター第1内科
pp.1026
発行日 1986年9月25日
Published Date 1986/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403110240
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Hepatosplenic fungal infection: CT and pathologic evaluation after treatment with liposomal Amphotericin B: Ali Shirkhoda, et al (Radiology 159: 349-353, 1986)
肝脾臓の真菌感染は,化学療法を受けている悪性腫瘍患者がかかりやすい全身性真菌症の1徴候である.好中球減少を伴う持続性発熱を特徴とする全身真菌症は,血液培養の陽性率が低いため診断が難しく,臨床経験と組織採取による積極的な検査が診断には重要である.また,CT検査は肝脾臓の真菌性膿瘍の診断に有用で,しばしば使われる.
著者らは,急性白血病やリンパ腫の化学療法中に,主に肝脾臓を侵す全身性真菌症を8例経験した.肝生検により8例のうち7例にCandida,1例にAspergillusが証明され,CTにより7例に肝脾腫,8例に多発性小膿瘍が認められた.最初,Amphotericin Bなどの抗真菌剤による標準的な治療を行い,CTおよび肝生検によりその効果を判定したところ,改善を認めなかった.
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