今月の主題 新しい臓器相関のとらえ方
臓器相関からみた症候群
過換気症候群
梅田 博道
1
1名古屋保健衛生大内科
pp.36-37
発行日 1974年1月10日
Published Date 1974/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402205259
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過換気症候群とは?
過換気症候群とは,心因性因子,身体性因子,あるいは両者の合併でおこる発作性の過換気と,それにともなう機能障害で,中枢性および末梢性の神経血管性変化と筋肉性変化により多彩な症状をおこすものである.なんらかの原因,誘因によって生じた過換気がもとで,身体のほとんどすべての部位に障害をおこすこの症候群は,臓器相関のきわめて大きい病気だといえよう.
正常の換気は化学的および神経的機構の複雑な連鎖により,ガス交換の必要に応じて自動的に調節されている.痛みにともなうあえぎ,疲れたときのため息など,感情,情緒の変化によっても換気が変わることはよく知られている.つまり,正常でも精神緊張,心配ごと,恐怖などによって換気はその深さと数を増すものである.このメカニズムは,ストレスに適応する現象ともいえる.
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