特集 これだけは知っておきたい治療のポイント
XI 感染症
3.化学療法剤の使い方
合成ペニシリンの使いわけ
塩田 憲三
1
1阪市大第1内科
pp.2008-2011
発行日 1973年11月20日
Published Date 1973/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402205200
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合成ペニシリン(正確には半合成ペニシリン,semisynthetic penicmin)の事実上の夜明けはBatchlor等によって,PC・G,PC・Vを酵素的に分解して容易に大量の6-aminopeniciUaic acidを生産できるようになった時からはじまる.この6-aminopenicillaic acidを基に開発され,広範な基礎的ならびに臨床的検討を経て我国で市販にまでこぎつけた合成ペニシリンは,現在のところ12種ある.我国の諸研究者によって目下検討中の合成ペニシリンが数種あるが,本稿では市販のもののみを対象として解説する.
その構造式,一般名,市販名などは,表に一括したが,本表ではさらに,これらの合成ペニシリンをその特長に従って3群に大別した.すなわち,第1群,抗菌スペクトルおよびそのスペクトル内の各種の細菌に対する抗菌力の強さがほぼPC・Gに匹敵し,しかも内服によって充分な血中濃度の得られるもの.第2群,主としてpenicillinase(以下pcaseと略す)耐性ブドウ球菌が対象となる一群.第3群,抗菌スペクトルがグラム陽性菌から陰性菌まで広い範囲に及ぶ一群である.
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