特集 これだけは知っておきたい治療のポイント
VII 神経
1.日常みられる神経系愁訴の治療と生活指導
腰痛症
石田 肇
1
1日医大整形外科
pp.1804-1805
発行日 1973年11月20日
Published Date 1973/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402205113
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腰痛症は肩凝りとともに人類が二本足直立,歩行する宿命のもとに起こる疼痛状態で,必ずしもすべてが病的とはいえない.発痛に関する機構も,椎体,椎間板,小関節,靱帯とともにこれを支配する神経筋系の関与が考えられ,ことに人類の姿勢を無視しては腰痛は論じられない.このうち椎間板ヘルニア,脊椎分離辷り症などは青壮年期に,変形性脊椎症は加齢の変化として老人に,骨粗鬆症,脊椎圧迫骨折,癌脊椎転移などは更年期婦人や癌年齢の入に発症しやすい.臨床的には急性に発症した腰痛症と慢性に経過するものとに便宜的に区別されるが,その治療と予防に関しては生活指導ということが重要な地位をしめることは当然である.したがって腰痛の治療は多少の痛みをもちながらもいかに社会生活に適応し,日常生活を送るかにあるといっても過言でない.
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