今月の主題 リハビリテーションの現況
疾患とリハビリテーション
腰痛症
米本 恭三
1
Kyozo Yonemoto
1
1東京慈恵会医科大学・整形外科
pp.444-447
発行日 1982年3月10日
Published Date 1982/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402217670
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腰痛は各人が日常しばしば遭遇する悩みの1つであるため大変身近に感じられる。しかしこの腰痛なる症状をひき起こす病態を考えたどき,いかに多くの疾患を鑑別しながら適切な治療を考えていかなければならないかという点で,惑いさえ覚えるのである.単に腰痛症と呼ばれ簡単に片付けられていた症例の中に,ときとして脊椎への転移癌まで含まれている可能性があるため,的確な診断に基づく症状の把握はリハビリテーションを行う際にまず要求される最も大切なことであろう.
従来の腰痛に対して行われてきた基礎的研究や診断,治療に関する報告は多岐にわたり,すべてについて限られた誌面の中で述べることはむずかしい,しかし重要な知見に関しては多数の著書の中に記されているため,必要に応じて参照されたい.ここでは筆者らが行ってきた研究の一端を述べ,実際に腰痛治療の折,いかなる点に注意を払いながらリハビリテーションを行っていくべきかについて論じたい.
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