特集 これだけは知っておきたい治療のポイント
II 呼吸器
7.現代における肺結核の治療
肺結核—外来治療のポイントと生活指導
三上 次郎
1
1国立東京第一病院呼吸器科
pp.1642-1643
発行日 1973年11月20日
Published Date 1973/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402205043
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肺結核の化学療法の進歩と,集団検診の徹底化,社会状態の好転は本症の治療法にも大きな変革をきたした.この10年来入院治療と外来治療と肺結核の治療経過に差が認められないという研究結果も数多くみられるようになり1,2),一方において集団検診の徹底化は早期発見により軽症例が多くなり,自宅外来治療例が必然的に増加してきた.しかし一方において安易に外来治療を行なって,手術適応の時期を失ったり,長く排菌が続くのを見過ごしてしだいに悪化をまねいたり,耐性菌を排出,感染源となったりする症例も絶無とはいえない.ここにおいて,われわれが肺結核の外来治療を行なうに当たり留意すべき点を今一度反省することが必要かと考える.
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