Nursing Study
結核を持つ小児の生活指導
大井 美知子
1
1兵庫県立厚生女子学院
pp.88-91
発行日 1964年8月1日
Published Date 1964/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661912343
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かつてはなばなしく医学社会の脚光をあびた結核も現在では地にもぐったかのように忘れられつつある。しかし実際社会,特に医学社会の目にとまらない程に減少したのではなくむしろ増加の傾向さえ見られ,貧困層に追いやられそこで根強く息づいている。一方,小児結核に目を向けてみるとそのほとんどが家族感染によるものであり,しかも公衆衛生知識が低く貧困家庭に多いとみられている。期待されている身でありながらその人生へのスタートラインでスタートを遅らせようとしている。この子供たちの前途には軽いなりにも「結核」という幼い病歴の元に社会の打破できない厚い壁がわずかの動揺すらなく立ちはだかっていることだろう。「三つ子の魂百まで」。人生或いは性格までを左右する年齢の子供たちの長期における療養生活の中で我々看護する者はどのような態度で臨み接すればよいのだろう。3歳の患児を中心にその背景を把握した上での患児の看護と日常生活の指導法および家族への教育法にスポットを当てて研究を進めることにした。
紙面を制限された為,実際の何分の一も発表できないのが残念です。
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