特集 これだけは知っておきたい治療のポイント
II 呼吸器
3.喘息治療の問題点
喘息児童の生活指導
馬場 実
1,2
1同愛記念病院小児科
2順天堂大学
pp.1614-1615
発行日 1973年11月20日
Published Date 1973/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402205029
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小児気管支喘息(小児喘息)は発作性に始まる呼気性呼吸困難を繰り返しておこすことを特徴とするが,その原因としては,近時アレルギーの関与がつよく示唆されており,治療もアレルギー学的診断の上に立って行なわれることが多くなってきた.しかしながら,一部の小児喘息ではアレルギー的機序がまったく関与せず,心因的因子がつよく作用していると考えられる例もみられる.さらに,ひとたび発作が始まれば,その重篤化因子として不安,恐怖感,不信感などが程度の差はあっても何らかの形でかかわりあってくることは決して稀ではない.
また,小児喘息は周知のごとく,発作を繰り返し,その経過は数年以上に及び,幼児期から少年期を経て成人期に至る例も少なくない、かかる症例においては,病気そのものによる肉体的な影響はもとより,精神的影響が患児に加わることも否定し得ない.
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