Japanese
English
今月の主題 慢性関節リウマチ(RA)の新しいプロフィール
治療
化学的滑膜切除術
Chemical Synovectomy
星野 孝
1
1独協医大・整形外科
pp.1156-1157
発行日 1973年9月10日
Published Date 1973/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402204896
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- Abstract 文献概要
慢性関節リウマチ(RA)は現在なお難治性疾患であるため,全身療法とともに局所療法も駆使してその活動性を抑え,関節症状の軽減・関節機能の保全をはかるべく,あらゆる努力がはらわれている.局所療法としては手術療法や理学療法のほかに関節腔内に副腎皮質ホルモンを注入する治療法がひろく行なわれているが,その効果が一過性であり,シャルコー関節を招来する恐れもあり,その施行にあたっては期待限界があることはいうまでもない.ことにその効果が数日間という短期間であることが最大の欠点であろう.
そこで手術により病的滑膜組織を切除するいわゆるsurgical synovectomyがひろく行なわれるようになったが,手術は患者に対する侵襲が決して小さいとはいえず,またすみずみまで完全に除去することが困難なことが多い,そこで薬剤注入によりすみずみまで病的滑膜組織を腐蝕して壊死に陥らせ,関節より炎症の場を除去しようという考えのもとに各種の薬剤を主とする化学物質を関節に注入することが治療法として登場してきた.これが化学的滑膜切除術と呼ばれるものである.
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