今月の主題 慢性関節リウマチ(RA)の新しいプロフィール
治療
副腎皮質ホルモン剤は利用できるか
間 得之
1
1中伊豆温泉病院
pp.1154-1155
発行日 1973年9月10日
Published Date 1973/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402204895
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RAの治療に副腎皮質ステロイド剤(以下CS)は利用できるかという命題に対して端的に答えるならば,利用できるということである.しかし,ここで考えねばならないことは,一般的なCSの適応となる疾患はなにかということ,これと表裏一体的に禁忌の対象となるものはどれかという薬物療法の通念よりも,むしろ薬物の副作用が世論としてもり上ってきている現在,CSを止むを得ず使わなければならないのはどのような場合であるかというところに利用という問いかけの真意があるとうけとめたい.したがって,適応の範囲をむしろ縮少する方向づけが要求されることになるが,きわめて多彩な病状と経過をたどるRAについてはまだまだ筆者も経験に乏しいので,むしろ成書に記されていることのむし返しになることをあらかじめおわびしておかねばならず,また別誌1)に発表したごとく,本邦におけるRAの治療に関するアンケート調査において得られた結果からみても,経口と関節内注入とを問わずCSを使用する施設が多く,使わざるを得ないRAという頑症の存在にあらためて目をみはらざるを得ないのである.しかし一方では,RA患者の治療歴をたどってみると,いとも安易にCSがfirst choiceとして使われていることも事実であり,命題の意図の一端はここにもあると思われる.
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