特集 プライマリ・ケアにおける0歳児の診療—よくある訴えと診療のコツ
Ⅱ 診察の要領
11.成長・栄養状態の把握
室谷 浩二
1
1神奈川県立こども医療センター内分泌代謝科
キーワード:
ICPモデル
,
成長曲線
,
failure to thrive
,
成長停止線
,
nutrition in the first 1,000 days
Keyword:
ICPモデル
,
成長曲線
,
failure to thrive
,
成長停止線
,
nutrition in the first 1,000 days
pp.1256-1266
発行日 2020年8月1日
Published Date 2020/8/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000001445
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小児は日々成長・発達するが,そのペースは,全成長期を通じて一定ではない.乳児期,とくに0〜1歳までは,生涯のうちで最も成長・発達が著しく,この時期の成長は,栄養の影響を大きく受ける.健常児であっても,しばしば身長,体重の逆転現象が起こるため,成長曲線(横断的標準身長・体重曲線)を活用して経時的に成長を評価すること,哺乳状況や離乳食の内容を細かく問診することが,栄養不良が原因か,生理的なものかを見分けるために有用である.母体の妊娠中(すなわち胎児期)および出生後から2歳までの1,000日間の栄養状態の適正化が,小児の健全な成長・発達や成人期以降の健康の維持やメンタルヘルスにとって重要である.
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