救急診療
心筋硬塞急性期の不整脈
新谷 博一
1
1昭和大・第3内科
pp.1908-1909
発行日 1972年9月10日
Published Date 1972/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402204453
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心筋硬塞急性期の死亡率はきわめて高く,しかもその死亡の大部分が発作後早期におこり,欧米の報告では死亡の過半数は発作直後の1-2時間という病院入院前に起きているといわれている.これらの死亡の直接原因ははっきりわからないが,約50%は不整脈によるとされている.病院入院後における急性心筋硬塞の死因についても,CCU開設以前の成績では不整脈死が約50%,心不全やショックなどのポンプ失調死が約40%,その他(心破裂・塞栓など)約10%といわれており,急性期における死因として不整脈,すなわち心室細動・心室停止などが最も多い.したがって心電図を持続監視し,心室細動や心室停止を除去する装置を用意して処置をすれば,硬塞の死亡率を減少させることができるだろうと考えて始められたのがCCU(coronary care unit)である.
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