診断のポイント
不整脈の聴診—どこまでわかるか
太田 怜
1
1自衛隊中央病院内科
pp.1868-1871
発行日 1972年9月10日
Published Date 1972/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402204443
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はじめに
不整脈の診断には,心電図の判読が決定的で,理学的検査の入る余地はほとんどないように思われる.しかし,不整脈は,もともと,脈拍の不整ということから名付けられたもので,その診断の手がかりは,脈拍の触診からはじめられたものであろう.最近では,どちらかというと,脈拍の触診はおろそかにされることが多く,われわれが心拍の異常に気づくのは,たいてい聴診時である.心音の乱れが不整脈で,心音の乱れをきいたならば,心電図をとり,不整脈の種類を決めるという段取りになるのであろうが,聴診の段階でも,不整脈の種類を,ある程度推測することができる,また,ある種の不整脈では,聴診の不可欠な場合もある.そこで,不整脈の代表的なものについて,その聴診上の特徴を,以下に述べてみることとする.
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