Editorial
不整脈に関する最近の知見
佐野 豊美
1
1東京医歯大・心臓血管病研究施設
pp.1839
発行日 1972年9月10日
Published Date 1972/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402204439
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従来不整脈といえばアカデミックな興味の対象としか考えられない傾向があったが,この数年来急に心臓病学の主流のひとつとして重視されるに至った.その理由の第1は急性心筋硬塞に対するC.C.U.の経験から,死因の最も重要なものであることがわかり,種類を正確に診断して的確な治療を即座に行なうことが最も有効な対策であるとわかったからである.第2の理由は不整脈学の最近の急速な進歩である.殊にその発生機構と治療の面に画期的な進歩が見られているといってよかろう.
不整脈の発生機構は微小電極法の登場以来飛躍的に解明された.従来心電図の所見より推定されていた諸説が細胞内に電極を挿入するこの方法により直接に立証されたり,否定されたりした.殊に心筋の正常自動能の電気現象は本法を俟って始めて真に解明されてきたといってよかろう.
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