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特集 不整脈
抗不整脈剤の作用機序
Mode of Action of Antiarrhythmic Drugs
佐野 豊美
1
Toyomi Sano
1
1東京医科歯科大学難治疾患研究所循環器病部門
1Institute for Cardiovascular Diseases, Tokyo Medical and Dental Univ.
pp.321-326
発行日 1974年4月15日
Published Date 1974/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404202617
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Ⅰ.抗不整脈剤作用機序解明の現段階 抗不整脈剤の作用機序は,最近非常に多くのことがわかったにも拘らず,複雑で不明なことがなお多く,最も取り扱いにくい主題の一つであろう。その理由の一つは不整脈の発生機序自身にも同じことがいえて,簡単にまとめることができないのに,更に薬剤自身の作用が加わるわけであり,しかも抗不整脈剤には奏効因子として幾つもの性質があり,その各種類を通覧すると,共通の性質もあるが,全く正反対と思われる性質もあるという工合で,どの性質が真の奏効機序であるか簡単にきめにくいからである。実際奏効機序を総説的にまとめた諸家の論説を見るに,各人各様の趣がある。例えばMendez and Kabela1)は異所性自動を抑制する群と,組織の不応期を延長させ興奮波旋回運動を終息せしめる群とに分ち,前者の代表としてカリウムを,後者の代表としてclemi—zoleを挙げ,キニジンを始めとすと各剤につき,いずれの群の性質をどれだけもっているかについて述べている。
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