Japanese
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ジュニアコース
抗不整脈剤の使い方
Antiarrhythmic Agents
佐野 豊美
1
Toyomi Sano
1
1東京医科歯科大学心臓血管病研究施設
1Institute for Cardiovascular Diseases, Tokyo Medical and Dental University
pp.1031-1039
発行日 1971年12月15日
Published Date 1971/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404202335
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はしがき
何れの系統の薬剤にせよ,病態の発生機序と薬剤の奏効機序が明らかにされて初めて,合理的な臨床上の使い方が可能となろう。経験的には各自良しと考えられる使い方を述べることは可能であるが,各自の薬剤経験の普遍妥当性は今や反省の時代である。ある時代には最良のものと考えていた治療法が,時代が変るとそれ程でもないように思われるのは不思議な位である。
そこで合理的な使い方には冒頭に述べた病態の発生機序と薬剤の奏効機序とを照合して考察すればよいことになるわけであるが,不整脈に関してはこの両面に最近画期的に多くの事実が解明されたとはいえ,明確な形で述べるには余りにもゴールに遠い。しかし例えば細動・粗動の発生機序として全く性質の異なるものが少なくも2つは挙げられているし,薬剤の作用としてもある面で全く相反する性質が挙げられて,まとめるのがむつかしいし,またまとめて見てもそれが本当に正しいかどうかわからない。最近そのような試みをした論文としてVaughan Williams1), Mendez & Kabela2), Pamintuan, Dreifus & Watanabe3)の3つを例として挙げてみても,いかに異なった解釈をしているかに驚かれるであろう。しかし現段階においてたとえ知識が不確実であっても,これを知っておくことは抗不整脈剤の正しい使い方をするために重要であると考える。
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