今月の主題 生体リズム
巻頭言
生体リズム研究の進歩
片山 善章
1
Yoshiaki KATAYAMA
1
1国立循環器病センター臨床検査部
pp.577-578
発行日 2001年6月15日
Published Date 2001/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542904780
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宇宙という大自然が地球に,ほぼ24時間で自転するという大法則を与えて,人類ばかりでなく地球上の生物のほとんどが,昼と夜とが24時間のうちに1回ずつ回ってくる環境で生きている.すなわち,人類始まって以来,生活形態は地球の自転で創り出された24時間周期を繰り返してきて,体内に24時間周期(24時間リズム)で時を刻む時計機構(体内時計)を発達させて,現在では,高度に組織化された社会では24時間生体リズムを無視することは不可能になっている.
具体的には昼と夜における体温,脈拍,血圧などの生理学的変化やカテコールアミン,ステロイドホルモン,甲状腺ホルモン分泌などの生化学的変化にみられる24時間周期性の変動は,よく知られている事実である.すなわち,これは外界の昼夜周期に体内臓器が自動的に作る24時間周期の因子(内部環境)が同調して,初めて典型的な24時間周期が現れるのである.このように生体における生理学的,生化学的変化上みられる24時間周期性変動はサーカディアンリズム(概日周期)と呼ばれている.
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