グラフ
肝シンチグラム・シンチカメラ
志水 洋二
1
,
河田 肇
1
1大阪労災病院・内科
pp.1754-1760
発行日 1972年8月10日
Published Date 1972/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402204421
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肝のシンチグラムは,現在肝・胆道疾患の診断には不可欠のものとなっている,肝癌などの肝悪性腫瘍をはじめとするいわゆるspace occupying lesionの診断には198Auまたは99mTcコロイド,および131I凝集アルブミンが使用され,これらの網内系への貪食が利用されているが,さらに最近では,慢性肝炎,肝硬変症などのびまん性肝疾患についても,その形態的変化,脾出現の程度,肝血流量減少などから,線維化進行の程度や,予後の判定にも利用されている.一方,肝実質細胞に摂取され,胆道系を通じて排泄される131I-Rose Bengalや,131I-BSPはシンチカメラの普及により肝の形態と機能の変化を同時に観察できるため,諸種黄疸の鑑別診断,とくに小児領域における先天性胆道閉塞の診断などに広く用いられ,またコンピューターとの組合せにより,体質性黄疽などの色素代謝の研究にも利用されている.
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